新歌舞伎座、いいですね。新築の家に招かれているように,晴れ着を着て、お祝いをもって出かけたい場所です。祝祭劇場という言葉がぴったり。三年間の沈黙を破り、お亡くなりになった大御所たちを偲んで、演目は季節を問わず、祝祭の意味をもっているようです。
今月の目玉はなんといっても、助六。團十郎さんの亡き後、海老蔵さんがどこまで再現するのか。第三部のチケットはほぼ完売。ときおり、出るのは一等席のチケットばかり。ほぼ諦めていたのですが、松竹歌舞伎会会員になって、三階席の一列目というチケットを入手し、第一部、第二部と鑑賞してきました。
三階席の一列目はこんな感じ。花道も2/3くらい見えます。
三部制になって、第一部が終わると、第二部のチケットを持っている人は、チケットを係員に見せて、ロビーで休むことができます。
名物の鯛焼きをいち早く並んで買うこともできて、便利です。
祝祭と書いたのは、この時期に「壽曽我対面」をやっていること。江戸時代から、これは、新年を祝って演ずるものです。「喜撰」も祝祭の色の濃いもので、昭和26(1951)年1、2月の第四期の歌舞伎座の柿葺落興行でも七代目三津五郎が勤めたそうです。
舞台はほんとうに華やかでした。演じている役者さんたちも晴れやか。のびのびと楽しそうに演じているのをみて、こちらも幸せな気持ちになれます。これが芝居では大切なこと。七月は歌舞伎座、松竹座と出かける予定。遊ぶことが決まっているので、仕事もきっちりやろうと思いました。
杮葺落六月大歌舞伎
平成25年6月3日(月)~29日(土)
第一部
其俤対編笠
一、鞘當(さやあて)
不破伴左衛門 | 橋之助 |
名古屋山三 | 勘九郎 |
茶屋女房お駒 | 魁 春 |
六歌仙容彩
二、喜撰(きせん)
喜撰法師 | 三津五郎 |
所化 | 秀 調 |
同 | 亀三郎 |
同 | 亀 寿 |
同 | 松 也 |
同 | 梅 枝 |
同 | 歌 昇 |
同 | 萬太郎 |
同 | 巳之助 |
同 | 壱太郎 |
同 | 新 悟 |
同 | 尾上右近 |
同 | 廣太郎 |
同 | 種之助 |
同 | 米 吉 |
同 | 廣 松 |
同 | 児太郎 |
同 | 鷹之資 |
祇園のお梶 | 時 蔵 |
平家女護島
三、俊寛(しゅんかん)
俊寛僧都 | 吉右衛門 |
丹波少将成経 | 梅 玉 |
海女千鳥 | 芝 雀 |
平判官康頼 | 歌 六 |
瀬尾太郎兼康 | 左團次 |
丹左衛門尉基康 | 仁左衛門 |
第二部
一、壽曽我対面(ことぶきそがのたいめん)
工藤祐経 | 仁左衛門 |
曽我十郎 | 菊之助 |
曽我五郎 | 海老蔵 |
化粧坂少将 | 七之助 |
八幡三郎行氏 | 松 江 |
近江小藤太成家 | 男女蔵 |
梶原平次景高 | 亀 蔵 |
梶原平三景時 | 市 蔵 |
鬼王新左衛門 | 愛之助 |
小林妹舞鶴 | 孝太郎 |
大磯の虎 | 芝 雀 |
二、新古演劇十種の内 土蜘(つちぐも)
僧智籌実は土蜘の精 | 菊五郎 |
待女胡蝶 | 魁 春 |
巫子榊 | 芝 雀 |
番卒太郎 | 翫 雀 |
同 次郎 | 松 緑 |
同 藤内 | 勘九郎 |
太刀持音若 | 玉太郎 |
石神 実は小姓四郎吾 | 藤間大河 |
坂田主馬之丞公時 | 尾上右近 |
卜部勘解由季武 | 亀 寿 |
碓井靭負之丞貞光 | 亀三郎 |
渡辺源次綱 | 権十郎 |
平井保昌 | 三津五郎 |
源頼光 | 吉右衛門 |