統計学から見えてくる日本の現状

企画書作成で、総務省の統計局のデータを眺めていたら、なかなか面白くて嵌ってしまった。

調べていたのは『家計消費状況調査』。5/9に平成20年3月速報が出ている。

概況を説明すると、平成20年1月から3月にかけての二人以上の世帯がどの項目にお金を使ったか、前年同月比、また、三ヶ月間の前年同期比、そして、前年度比の速報となっている。短期的統計、長期的統計が一目でわかるすぐれモノだ。

業界的にいうと、 通信・放送受信分野は増率しているが、唯一年間でマイナスなのは固定電話使用料だ。一方で、家具・住宅業界は消費のマイナスが目立つ。自動車も年間を通じて、新車が-7.9%、中古車が-3.1%の消費だ。

もちろん、統計というのは五年くらいを遡って判断しなければ精度が高まらないが、傾向というのは前年比で見えてくるだろう。家電では、デジタルチューナー内蔵テレビと、移動電話機,インターネット接続機能付きテレビゲーム機の伸び率が著しい。

3月同月比で、私立16.5%、国立11.7%と増えているのは、授業料の相次ぐ値上げも関係しているだろう。同じ時、出産入院料は-28.2%となって いる。これが、保険料の変更なのか、少子化がさらに進んだのか、別の資料を探していると、時間は瞬く間に過ぎてしまう。

無味乾燥のような数字の羅列でも、眺めていると見えて来るものがあるのだ。もっと知りたいことも出てきて、外資系に長年いた基本を思い出した。

 

データというものは、おしなべて、自分のブロジェクトの予算取りのために使うものなのだ。当然、選択的にデータを集めることも必要になってくる。それは、 直属の上司のためというよりは、その二つ上くらいの役員を説得するために用意するものなのだ。 人は知らないことを認めたがらないから、政府機関の出して いる、あるいは大学などのリサーチセンターの出している資料に重み付けをし、受け入れるのだ。

勝算のないプロジェクトは、最初から手がけないから、どうしてもやりたい、それが会社の収益に繋がると信じていたら、あちこちからそれを裏付けてくれそうなデータを集めて、プレゼンをするのだ。わからないが、やってみよう、と思わせたら成功である。

 

 

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