変わるもの、変わらないもの

毎日をふつうに過ごしているつもりでも、久しぶりに出会った友だちとの会話で、はっとすることがある。特に大震災以来、変わったことが多いのに気づく。

1. 家中の絵を外して、三階の最上段にしまった
津波がくると、水深9メートルまでは大丈夫だが、11メートルとなると水没してしまう。

2. 買い物を分散させる
スーパーと、デパート地下、生協、ネットのお取り寄せと、分散させている。どこかがだめでも対応できるようにしている。

3. 手間をかけたものを味わう
コーヒーは豆から挽いて、毎回、布で濾して飲む。これが最後のコーヒーかもしれないと覚悟しながら。土鍋を使って、野菜の炊いたものを常備する。

4. 冷房をつかわない
遮光カーテン、二重カーテンを利用して、家にいるときは、日差しを遮る工夫をする。ベランダには、ゴーヤを植えた。

5. 車に頼らない
会計事務所に行くのも片道20分を歩く。セミナールームまで、JR最寄り駅から歩く。

6. 本をまた、買い始めた
一時、図書館で新刊書を借りて、六本木ヒルズのライブラリーでビジネス、新書を読んでいたが、いまでは、お薦め本をネットや、古書店で買い求める。密林に金額上限設定がほしいと、切に思う。

7. 音楽を聴き始めた
FBに昔の音楽仲間が集っているので、1997年頃のように、買い集めたCDをまた、聴くようになった。

8. 着物を着るようになった
4年前に着付け教室に通って、なんとか着られるようになった。芳町のお姐さんたちのお座敷にいくことと、着物で京都を歩くのが目的。着物は大部分が母から譲り受けたもの。そのまま、散逸させるよりは、自分で着ようと思った。

9. 専門家の友だちが増えた
オペラ歌手の知合い、日本画の作家、宝石商、洋画家、写真家など、その道のプロと親しくさせていただいている。

10. 歌舞伎とオペラ
高額なものは行けないが、歌舞伎とオペラを見ることを続けている。本物はどちらも素晴らしい。音楽は心を癒してくれる

11. 佐渡で能舞台をみる
2004年から、毎年佐渡で奉納能を行なっている。震災の後も途切れることなくできて、みんなに感謝している。

12. 古文書講座を主宰
この時代、江戸について学ぶ人はたくさんいるはず。今年の講座は先生に恵まれて、どれも楽しい。全部受けたいという受講者の気持ちがよく分かる。

ネットの友だちが毎年増えて、リアルにも面識があるから、ずっと昔からの友だちのように感じている。情報をいただき、助言をもらい、ときに勇気づけられる。ネットがなかったら、出会えなかった人びと。そのご縁にも感謝したい。

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